影響されて丸パクリ
なんという響きだ。こう言い換えてみよう。
インスパイアされてオマージュしてるんだ。
だって、そうだろう?ゼロから作られたオリジナルなんてこの世にはほとんど存在しないんだ。
ピンと閃いたアイディアでさえ、どこかで見たり聞いたりしたものを無意識の内に参考にしているってのはよく言う話さ。
オリジナルなモノを作り出したいかい?オンリーワンな存在になりたいかい?そしたら近道はすぐに見つかるよ。
マネすればいいんだ。
自分が好きなもの、好きな音楽、好きな文章、好きな人、好きな考え方、好きな生き方。自分の「好き」をいっぱいいっぱい見つけて、そこからちょっとずつマネするんだ。マネをして自分に次々取りこんでいく。より好きなものが見つかれば、それに乗り換えればいい。誰も文句は言わない。その作業をひたすら続けるんだ。
そうすれば自然にオリジナルが見つかるよ。気が付いたらオンリーワンになってるよ。組み合わせは無限大だ。何一つ、誰一人同じなんてない。
個性的じゃないと悩むキミも、今のままで充分個性的だよ。クヨクヨしてないで、好きなモノを探しに行こうよ。
と前置きはここまでにして。
素敵な言葉ですね。
『インスパイア』『オマージュ』
「あっし影響されちまったもんでねぇ、丸パクりしちゃいましたよ!」
うぅ、下品……
「私はこの作品にインスパイアされましてね、オマージュの要素も足してみました」
まぁ、上品……
これからはこう言うべきかもしれない。魔法のコトバ『インスパイア』『オマージュ』
そして今回は『オマージュポゥ』について見ていこうと思う。
新しい言葉で惑わせてしまったかもしれない。
まず始めに、『ポゥ』とはいったい何なのか?
音楽好きな方はもちろん、そうでない方も多くの人が「ポゥ」と閃いたのではなかろうか。
そう、MJことマイケル・ジャクソンの例のあれ、まさしく「ポゥ!」である。
それでも「ポゥ!」とはなんぞ?という方にはこの曲を聴いていただこう。歌詞の途中に数多のポゥが組込まれているのがお分かりいただけるだろうか。
Michael Jackson - Billie Jean (Official Video)
マイポゥ・ジャクソンにまでなると、実は本来の歌詞は「ポゥ」の部分であって、「ビリージーン」とか言ってるのが合いの手なんじゃないかと思ってしまうほどだ。素晴らしいポゥ。究極にして至高。ポゥの先生、師匠、マスター、代表、お父さん、お母さん、申し子、神様、仏様、宇宙。いや、MJはポゥそのものだ。もう何がなんだかよく分からないが、とにかくポゥなのだ。
しかし今回の主役はマイポゥではなく、『R.kelly』この人である。
彼はアメリカ出身のシンガーソングライターで、90年代〜2000年代のR&B、HIPHOP界を牽引してきた巨匠とも言うべきミュージシャンである。
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彼はMJが大好きだ。とても尊敬しているし、愛しているのが分かる。実際、『You Are Not Alone』という楽曲を提供する形で、ミュージシャンとしてもMJと深い関わりを持つ。
そんな彼が敬愛するMJをマネしないはずもなく……もとい、オマージュしないはずもなく。彼の曲にもオマージュされたポゥが出てくるのだ。
そうすなわち、『オマージュポゥ』
好き過ぎるあまり、マネしてる内に口癖になっちゃったっぽいのだ。たぶん彼は若い頃からマイケルのマネをしてポゥ!ポゥ!言っていたのだろう。ここで紹介する曲も、我慢できずにポゥしちゃうのだ。止まらないポゥ、溢れ出るポゥ、絶叫してしまうポゥ。
今までにない視点。『オマージュポゥ』にスポットを当てて曲を聴いてみよう。
紹介するのはこの曲。
『I Believe I Can Fly』
この曲はNBAのスーパースター、バスケの神様でもあるマイケル・ジョーダンが主演の映画『SPACE JAM』のサウンド・トラックにも収録され、グラミー賞にも輝いた名曲である。
R. Kelly - I Believe I Can Fly (LP Version)
タイトルからもわかる通りポジティブな曲だ。バカポジティブでベタでいい曲だ。この曲を聴きながら読み進めてほしい。
2分3秒 挨拶代わりのポウ
様子を伺うかのような、軽いジャブのごとく放たれるポゥ。むしろホゥ。とても自然で呼吸の一部なんじゃないかと感じる程だ。あれ?なんか言った?ぐらいだろう。
2分42秒 ついついポゥ
徐々に気分が乗ってきた頃のポゥ。これも自然に出た感じがする。聴いていると、あれ?クセなのかな?と少し気になりだす。
3分32秒 段々我慢できなくなってきたポゥ
歌も気持ち良いし、油断したらすぐに出てしまうポゥ。逆に、意識して抑えてないとないと勝手に言っちゃうよぅ。
3分46秒 出ちゃうよポゥ
あ〜もうダメダメ。出るんだから仕方がない。次のポゥが待ち遠しい。常にスキを狙っているポゥ。
4分2秒 もういいだろのポゥ
盛り上がってるしもういいよね。これ以上我慢しなくてもいいっしょのポゥ。
5分5秒 もう無理の特大ポゥ
今までずっと我慢して小出しにしてきたけど、もう無理だ。耐えきれない。なんか曲もクライマックスだし。あ〜無理、あ〜〜〜、あ〜〜〜〜!
ポゥ!!!!
と、最後はアラレちゃんの『んちゃ砲』のような最大級のポゥを放ってしまうのであった。僕にはハッキリと見えるよ。ポゥの文字が形になって。
これが、好き過ぎるあまり止められなくなった『オマージュポゥ』である。
しかしオマージュをふんだんに取り入れつつも、彼の個性が消えることはなく、唯一無二の存在感を示してくれる。オマージュすることに躊躇ってはいけない。
さぁあなたも露骨にパクるのだ!!
ただ、彼にはド変態エロおやじの噂もあるので、そこからは各々興味を持てば調べてみて欲しい。